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主にサークル小麦畑様のゲーム「冠を持つ神の手」の二次創作SS用ブログです。 他にも細かいものを放り込むかもしれません。
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ヴァイル愛情A後、女ヴァイル+男レハト
レハト王配


執務を終えたヴァイルは、部屋に戻るなりすぐに寝台に身を投げ出す。
レハトはそれを見れば、書きかけの文を置いてその傍へと近づいた。

「お疲れ様」
「……」

ただいまを言う気力もないらしい王の様子に、まずはその履いたままの靴を恭しく脱がせる。
俯いている頭から髪飾りも取れば、結わえた髪を解いてやって手櫛で整えてやった。
高い位置で締められた、刺繍も豪華な腰帯を緩めたところでようやくヴァイルが動く。

「つかれた」
「見ればわかるよ」
「つーかーれーたー!」

じたばたともがきはじめる様子に、上着を脱がせて、上等な生地のそれらが皺にならないようにしてちゃんと所定の場所へとかけてやる。
その頃になってもそもそと起き上がったヴァイルに、レハトは首をかしげた。

「何かあった?」
「別に。そういうわけじゃないけど、仕事仕事で忙しないのが嫌だ」
「王様だからね、仕方ないよ」
「わかってるけどさ、そんなのわかってたけど」

そうだ。ヴァイルは王になるというのがどういうことがよくわかっている。
人前ではこんな愚痴も駄々も無い。レハトだけがいる部屋だからやっているのだ。
隣の部屋で控えている侍従たちには丸聞こえかもしれないが。

「仕事が終わっても寝るくらいしかできない」
「寝る時間があるだけ、いいと思おうよ」
「レハトが手伝ってくれてるからなー、助かってるよ」

一歩及ばなかったとはいえ、たった一年の間で王候補にまで上り詰めた能力を持つ王配だ。
レハトは主に、儀礼に関することや神殿との折衝などの面でこまごまとした執務を受け持っている。
日がな一日ヴァイルの隣に座っているのが仕事ではないので、城内をうろうろしている事も多い。
それでも、食事時や寝る時間はちゃんとヴァイルの傍に、何故か戻ってきていた。結構時間にばらつきはあるのだが。

「手伝い程度だけどね。決めることは出来ないから、ヴァイルが仕事をしやすいように整えるだけだ」
「王配の権限拡大しようかな」
「どの王配も徴があるわけじゃないと思うから、それはどうかと」

宥めるように言いながら、レハトは寝台に戻ってヴァイルの隣に座る。
すぐにもたれかかってきたのを受け止めて、長く伸びた髪をゆっくりと撫でた。

「レハトの手、大きくなっちゃったなあ……」
「出来るだけ大きく育ちたかったから、願いが叶って嬉しい」
「昔は俺と同じくらいの大きさだったのに、今倍くらいあるよね」
「倍はないよ」

いや、ある、とばかりにぐいぐいと体を押し付けてくるので、胸で受け止めて抱きしめる。
力がゆるゆると抜けるのがわかって、それをなんだか愛しく思った。

「明日の朝は少し余裕があるよね」
「うん。ちょっとだけど、一緒に朝食は食べられそう」
「良かった」

朝食を食べる暇もない、なんてことだってあるのだから。これは良い事といえるだろう。
まだ二人とも寝巻きではないのに、腕の中の体温がうとうとしてきたのがわかった。そのまま、横にしてやればヴァイルは一瞬起きようとするも、すぐに布団の引力に勝つことができずに倒れるように寝転がる。
それを見て、レハトは思わず微笑んだ。

「着替えさせておいてあげるから」
「……レハトのえっち、変態」
「皺のついた服を鏝で伸ばす侍従がかわいそうだからだよ」

いいから眠って、と囁きかける声にヴァイルは抗いたい。もっとぐずぐずと言って、レハトにたしなめられて、甘やかされて、リネク桃が食べたいと言って、山奥で探せばいいのって途方にくれさせたい。
レハトだって仕事の途中だったろうに、そんなの後回しにさせて、いっぱい世話をさせて、抱っこのまま眠りたい。
まるで空のように果てがないくらい、自分を許容してくれるレハトに寄りかかりすぎるのはよくないとわかっていたけれど、自分が何よりも大事にされていると、疑う余地もなく感じることのできるこの感じはやみつきになる。
まるで世の中は、レハトがヴァイルの王配になるために生まれたかのように言う。
ヴァイルもそう思っている。レハトも多分そうなんだろう。
男になって、やけに大きく格好よくなった彼は、「これだけ大きければヴァイルを守りやすいね」と当然のように言ったから。
自分が女になって、守られるなんて考えたこともなかったけれど、悪くはないと思った。
レハトの手が服にかかる。下着まで脱がせるけれど、色気のある理由じゃなくて。
すべすべと肌触りのいい寝巻きをすぐに着せられた。

レハトに完璧さをもう少し求めるとすれば、そろそろ手を出してくれてもいいのにという点くらいのものだ。
 

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